class.style Kikumi Shimizu Movie and drama seen from clothes 衣装からみた映画・ドラマ
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衣裳から見た映画、映画の中には衣裳がその全体のイメージを作る重要な存在になるものもあります。ここではそんな映画、歴史ものからトレンド的なものまで私のお気に入りをセレクトし御紹介できたらと思っています。
image photoアカデミー賞、衣装部門を受賞! 
ミレーナカノネロ監督「マリー・アントワネット」

今年注目のトレンドはリボン、フリル、タックなどのデザイン、腰にボリュームのあるデザインなど18世紀の宮廷のロココを思わせるようなファッションが新鮮です。
第一回目としてセレクトしたのは私が最も興味ある衣服を着用していた時代の映画であり、今秋冬のファッションの参考にして頂きたい、ソフィアコッポラ監督、衣裳デザインは、この映画でアカデミー賞、衣装部門を受賞した、ミレーナカノネロの「マリー・アントワネット」です
(1755-1793)の波乱の生涯、14歳で後のルイ16世と結婚し18歳で即位しベルサイユ宮殿で暮らした孤独な王妃のお話です。
映画の中にはすばらしく目を見張るような、宮廷用ドレスが登場します。そのどれも素材、柄、色のコーディネートにおいてなんとも繊細かつ洗練されていて、女性らしいファッションが好きな方なら誰もが一度は着てみたいと思われるものばかりでしょう。その中の一部を紹介しますね。

マリーアントワネットと後のルイ16世との結婚の儀式に着用されたウェディングドレスは左右に大きく張り出した巨大パニエが用いられ、バックスタイルはローブボランというこの時代の衣裳の特徴である背部の方から裾に掛けて数本の深いプリーツが入っている流れるような優美なシルエットのデザイン。

フロントスタイルは大きく繰られた胸元にV字形に開いたロココ期のローブの前面に多くつけられたストマッカーという三角パネルでリボンで飾って豪華に装飾されています。

もう一つ印象的なドレスはアントワネットがルイ16世が即位する時に着用していたドレスです。
ローブ・ア・ラ・フランセーズという胴にぴったりしたシルエットでフリルやブレード・刺繍・レース、リボンで縁取りされた贅沢な装飾を特徴としていてローブのスカートは下にはいたジュプというアンダースカートを見せるために前開きになっているのが特徴です。袖はパコダ袖という、上部が細く、袖口に向かって、広がった袖になっています。

アントワネットが産後別荘で過ごす時に好んで着用していたのはシュミューズ・ア・ラ・レーヌ(王妃のシュミューズ風ローブの意)というシンプルでゆったりとした室内着
この頃のアントワネットはコルセットやパニエが嫌いだったようで薄い木綿や絹地でやわらかに仕立てられた装いを着ていました。これが後のエンバイアスタイルへと引き継がれていきます。

興味を持たれた方は、是非ご覧になって下さいね。

あなたもオシャレを究極に楽しんで、現代のロココ・レディを目指してみてはいかがでしょうか・・・・



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